トランプー共和党ー8月15日

民主党のカマラ・ハリス大統領候補の人気は高まっており、一部の調査では”ほぼトラ”と予測されていたトランプ候補より支持が集まっているようだ。トランプ元大統領はそのエキセントリックな発言で物議をかもしているが、彼の発言は”共和党原理主義者”の発言と考えても良いと思う。”イスラム原理主義者”と呼ばれる人達も居るが、このコテコテの原理主義者達は色々問題を起こすことが多い。

そんなトランプ候補から共和党と発想を巡らす内に、8月15日の終戦記念日を迎えるに当たって、まるで落語の三題噺のように、トランプー共和党ー8月15日という連想が浮かんで来た。

トランプ候補が大統領に就任したら、ウクライナ支援は停止される(同時にロシアの実質的勝利で戦争は終結する)と予想される。しかし、これは共和党の基本方針と云うもので、共和党は代々ヨーロッパの戦争にはアメリカは関与しない(モンロー主義が歴史的基礎)との方針を取って来た。米国は民主党大統領の時に対外戦争を始めると言われている。しかし、国家には政策の継続性と云うものが存在し、例え180°政策の異なる大統領が就任したとしても、前大統領の政策を消しゴムで消す様には行かないもので、段階的な援助の削減はあっても急激な停止は無いのではないだろうか?

終戦の日にあたって、太平洋戦争と云うものを考える内に、もし(歴史に”もし”は無いが)開戦時の米国大統領が共和党出身者だったらどうなっていただろうと思う。日米開戦時の米国大統領は、フランクリン・ルーズベルトであり、民主党出身である。当時ドイツの侵略によりフランスは降伏しイギリスも危機に瀕していた。ルーズベルトはイギリスを救助したいと考えていたが、当時の多くの米国民の意見は不参戦であった。そこで、ヨーロッパではない、別の地域で米国が攻撃を受け、それに乗じてヨーロッパの戦争に参戦することが出来ればーと考えた。そして、日本に対外的圧力を掛け日米開戦に成功する。「リメンバーパールハーバー!」と米国民の意識は一気に戦争に向かって行く(米西戦争の「リメンバーメイン」以来この「リメンバーほにゃらら」というキャッチコピーを米国民は好きである)。日本の開戦により日独伊三国同盟に基づきドイツとイタリアも米国に宣戦布告することになる。此処にルーズベルトの目論見は成功し、ヨーロッパに米軍を送ることが出来る様になった。当時のイギリスの首相であったチャーチルは、英国が日本に負けることはあり得ないが、ドイツには負ける可能性を予想しており、この日米開戦に小躍りして喜んだと言われている。米国にしても、まだGDPとかGNPという統計概念が無かったころであるが、国力が60倍以上違う日本に負けるなど露にも考えていない。戦争を始めた日本にしても大国アメリカに勝てるなど考えてもおらず、初戦を有利に進めて、適当な所で講和する事しか考えていなかった。ただ問題点は世界中の大国が交戦状態にあり講和の仲介を出来る国が無かったことである。 

日独伊三国同盟により、ドイツとソ連が戦闘を開始した特、日本もソ連に対して参戦する義務があったが、日本の力を借りなくてもソ連に勝てると自信を持っていたドイツは日本の中立を非難することは無かった。それでも日本軍は関特演(関東軍特種演習)と呼ばれる軍事演習を満州国とソ連との国境で企画し大軍団を終結させていた。特別軍事作戦とロシアが呼ぶ現在のウクライナとの戦争でもロシアはウクライナ-ベラルーシ国境において大規模な軍事演習を実施し、そのままベラルーシからウクライナ領になだれ込んでいる。いやはや時代は変わっても戦争のやり方は変わらないものである。

しかし、ノモンハン事件により、ソ連軍に大敗を喫したトラウマを持つ日本軍は関特演を結局実施しなかった。日本は日ソ不可侵条約に基づき第二次大戦中ソ連に対して中立を貫くことになる。それでも日本軍の動きに注目していたソ連はスパイ・ゾルゲの報告などにより日本の背面からの攻撃が無いことを確信し、ザバイカル方面軍をヨーロッパに送る事が出来、ドイツとの戦争を有利に進めることが出来た。

ソ連と中立を守ったことにより、ソ連に対して恩を売ったつもりの日本はソ連の仲介による講和と言う働きかけをしていたが、逆にソ連から侵略を受け8月15日を迎えることになる(ソ連との戦闘は8月15日以降も継続した・・)。

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