アトランタ五輪サッカー

人間歳を取ると色々のことを思い出すもので、昨日のワールドカップグループリーグでの日本戦を見ていて、1996年のアトランタオリンピックを思い出しました。

この大会では日本はオーバーエイジ枠を使わずに、キャプテン前園、ゴールキーパー川口らのフレッシュな力で世界に挑み、初戦ブラジルに勝利して、日本中を大いに沸かせました。今回のワールドカップのドイツ戦勝利の様なものです。第二戦でナイジェリアに敗れ、最終戦でハンガリーに勝利しましたが、グループリーグ突破は叶いませんでした。

結局予選リーグを勝ち上がった、ナイジェリアとブラジルが金メダルと銅メダルを取ったので、日本にとっては悔しすぎる大会でした。

中国は民主主義国家になるか?

前回、民主主義とは大変贅沢なモノで国民の大多数が生活に余裕を持つようにならないと定着しないと述べた。

かつて日本や欧米諸国が中国に積極的に投資した時には、中国国民が豊かになればやがては、民主主義が根付くであろうとの期待が背景にあった。

しかし、市場経済を導入した中国は、一部の国民は驚くほど豊かになったが、大多数の国民はいまだ生活苦を抱えている状態だ。これでは民主主義は発生しないし、根付かない。

民主主義が定着するには、生活が豊かとなり自身で勉強する余裕が出来て、知識を取り入れ、自分の考えを持ち、他者と議論することにより考えを洗練化し、国民一人一人の意見が、国を動かす大きな力となっていかなければならない。国民の大多数が生活苦に追われ、日々の生活が手一杯の状態では民主主義は発生しない。一部の富裕となった人々は自分の特権的位置を守るため民主化には冷淡となる。

さて、このまま中国が発展していけば、否応なく国民全体は現在より豊かな生活を享受できるようになる。その時、中国は真に民主化されるであろうか?ここに独裁国のジレンマがある。為政者にとっても国が貧しいよりは豊かな方が良い。しかし、国民全体が豊かになれば自分達の地位が脅かされる。国の発展を採るか、自分達の権力を守る方を取るかのジレンマが発生することになる。

現在中国では思想統制をとり、外国からの情報を遮断し、集会を規制している。しかし、国民生活が豊かになれば、何処からか知識を仕入れて来て、自分の意見を持つようになり独裁政権は危うくなっていくだろう。その時為政者は経済発展を諦めても自分達の地位を守ろうとするのではないだろうか?

かろうじて免れた米国の民主主義

事前の予想に反して、大敗すると思われていた米国の議会選挙で、民主党が善戦しました。

私は、別に米国の市民権を持っているわけでは無いので、どちらが勝とうと関係ないのですが、もし、投票権を持っていたら共和党によりシンパシーを感じる人間ですが、トランプ前大統領は認めることは出来ません。米国の多くの市民もトランプに嫌悪感を感じ、投票が民主党に流れたものと思われます。まだ米国の民主主義は健全性を保っていると言えます。

歴史は古代共産主義社会、王権社会、封建社会、絶対王政社会、議会制民主主義社会と進んで来たわけですが、単に時代が進めば民主主義が達成されると言うわけでは在りません。

民主主義は大変贅沢なモノなのです。単に民主主義制度という入れ物を作っても、その中に入れる民主主義精神が無ければ、民主主義国家は出来ません。民主主義制度だけを導入しても民主主義国家にならない国は現在でも世界に沢山在ります。

それでは、民主主義的精神はどの様に作られるかと言うと、国民の大多数が生活に余裕があることが必要条件となります。国民の大多数が貧しく、食うや食わずで生活に追われている国では民主主義的精神は生まれません。だから真の民主主義は大変贅沢な制度なのです。

多くの国民が豊かになり、生活に余裕が出てくれば、本を読んだり(別に本で無くとも良いのですが、)して、知識を得て自分の考えを持つようになります。そして、他者と議論することによりその考えをより洗練化することが出来ます。そして、各人が自分の考えを持ち、他者の考えも尊重する結果として、民主的な社会は生まれるのです。食うや食わずの国民が大多数を占める国では、日々の生活の追われ勉強して、議論を重ねる処ではありません。

民主的国家を維持するためには、大多数の国民に生活の余裕がある(中産階級が大多数を占める)事が必須となります。これは世界的に見ても大変贅沢な国家なのです。処が、現在世界では中産階級の没落が進み、持てる者と持たざる者の二極化が進みつつあります。富裕層は自分の特権を維持できれば良いだけなので、別に民主主義的国家を求める必要はありません。まさに民主主義の危機に瀕していると言えます。

そして、民主主義精神を失い形骸化した民主主義制度は、極めて民主的に独裁者を生み出す結果となります。

半導体製造の新会社が出来ました。

日本に久しぶりに半導体製造会社が新設されました(ラピダス、Rapidus Corporation)。かつて日本製の半導体が世界市場の半分以上を占めていた時に、半導体業界の片隅に居た私としては、大変興味深いニュースです。

( その頃の状況は拙著”クリーンルームの暗殺者”をお読み下さい → こちらからクリックしてください。 )

しかし、これまで政府肝入りで進めた事業で旨く行ったためしがないので大変心配です。