ロシアによるウクライナ侵略は止むところがありません。第二次大戦時のナチスドイツによる侵略を連想させ、学校や病院を標的にした攻撃はナチスドイツ以上に残虐に見えます。この蛮行を繰り広げるロシアのプーチンが逆にウクライナのことをネオナチと呼び、ウクライナを非ナチ化するため戦争をするとはどういうことでしょうか?
第一次世界大戦後ロシアから独立を果たしたウクライナはその後ソ連からの武力侵略を受け、ソ連邦を構成する共和国として組み込まれます。その後ソ連からの過酷な収奪を受け、多数の餓死者を出すなどの迫害を受けます。しかし、ソ連に組み込まれた後もウクライナ独立を目指す勢力は生き残っておりました。
ステパーン・バンデーラ(1909年1月1日 ‐ 1959年10月15日)は、その独立勢力の指導者でした。独ソ戦の開戦に伴い、敵の敵は味方と、これを好機としてドイツに協力してウクライナの独立を果たそうとしますが、逆に占領後のウクライナを独立させる意思のないナチスにより捕らえられ投獄されることになります。終戦後開放されたバンデーラはソ連からファシストのレッテルを貼られ、ウクライナに戻ること無くソ連の手により暗殺されます。ソ連からナチスの協力者と評されていたバンデーラですが、ソ連邦崩壊後はウクライナではその評価が見直され、現在はウクライナの英雄と再評価されるようになってきました。
ウクライナを属国と考えているプーチンにとってウクライナの完全な独立を目指すゼレンスキー大統領のような勢力が面白くありません。プーチンにとってウクライナのナチ化を防ぐとは、ウクライナのロシアからの完全な独立を認めないということなのです。