ハインリッヒの法則と言うものがある。これは同じ人間(組織)が330件のヒヤリとするような事例を起こした場合、内300件は全く無傷であるが、29件は軽微な事故を発生し、1件は重大な事故を引き起こすという統計データに基づく法則である。
先日、知床観光の遊覧船が痛ましい事故を起こしたが、今回の甚大な被害の以前に、誰も気付かなかったギリギリ暗礁に乗り上げる寸前のような事態が多数発生していたと推測され、実際に沈没には至らなかったが、座礁事故など複数の事故が記録されている。ここで何らかの安全手順を定め対策を打っておけば、悲惨な事故は防げたであろうが、結局ハインリッヒの法則に予言された確率論のように甚大な事故を引き起こし、多数の人命を失うことになってしまった。