矢野事務次官の発言は正しい

衆議院選挙が本日(10月19日)公示されました。各党はコロナ対策の公約を掲げています。矢野財務省事務次官はこれをバラマキ合戦と批判しています。これに対して色々な意見が出されておりますが、私は矢野事務次官の発言は正しいと思います。

新型コロナ以前から日本の財政は国債依存型であり、このままでは何時かは破綻すると危惧しておりましたが、新型コロナ対応で政府の支出は増大しており、まさに首つりの足を引っ張る状況になっております。

一般家庭で収入以上の借金をして生活に使ったら破産する事は目に見えてます。しかし、国の場合は一般家庭とは違います。現在国債を買っているのは銀行です。今の銀行はアホみたいな利息で預金者の金を集めて、国債の利子から利ざやを稼いでいるのが現状です(日本の産業発展に貢献するため銀行を作った渋沢栄一は今の銀行を見て何と言うでしょうか)。従って一般市民には国債の動きは見え難いのです。

銀行は最後は日銀が国債を買い取ってもらえるものと安心して国債を買い進めます。政府も国債の価格を安定させるため日銀に買い取りの圧力を掛けます。日銀は自分の所でお金を印刷すれば良いだけなので、言われるままにいくらでも買い取ります。従って国債を発行すればする程、国内にはお金が増えていくのです。

これは、国債を発行すればする程お金持ちになる!と言う訳ではありません。ご存じの様にお金は有名人物の顔と金額を印刷しただけのただの紙です。このただの紙切れに対して、政府がこれは価値の有る物だと保障しているから、例えば一万円札は一万円の価値が有る訳です。政府が信用保証出来る以上のお金が出回れば、たちまちお金は価値を失い、制御不能のインフレに襲われる事になります。

ある時点で全ての借金を清算して、以降国債に頼らない財政運営をして行くことは可能でしょう。これをソフトランディングとしましょう。ソフトランディングと言っても国民に与えるインパクトは絶大となります。しかし、例え、借金を帳消しにしても膨らんだ国の予算を次年度から半分以下にする事は出来ないでしょう。従って、例え借金を清算しても国債依存体質は変わらないのです。従って国が借金を清算するという事態は発生しないでしょう。それを決断出来る政治家はいないはずです。

従って可能性が有るのは、ハードランディング-お金の増大による制御不能のハイパーインフレとなります。それが何時かは判りませんが。

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