昨日の『池上彰のニュースそうだったのか!!』の番組中で「水道水をそのまま飲める国は?」との設問で日本を含めて12か国しか無いとの話があったが、設問の立て方が不穏当であったと思う。水道水をそのまま飲めない!と言うと何か危険な水道水のような印象を持ってしまう。低開発国や低開発地域を除いて、およそ文明国では水道水は厳密に管理されており、水道水をそのまま飲んでも病気になることは無い。ガンジス河の水をそのまま飲むのとは話が違う。
だから、喉が渇けば水道水を飲んでも大丈夫である。無理して脱水状態になる方が問題である。しかし、番組でも挙げられていたように、大陸国の水道水は硬度が高い。マグネシウムのようなミネラルが大量に入っている。刺激の少ない下剤として酸化マグネシウムが販売されているが、これらの国の水の中にはこのような下剤の成分が大量に含まれている訳であるから、大量に飲むことは勧められない。(また、大量摂取は体内のミネラルのバランスが崩れる心配もある。)
便秘の問題は世界共通の問題であり、日本では伝統的な食事を通して食物繊維を日常的に取る事により予防しているが、欧米では硬度の高い水を飲む事により予防している傾向がある。日本では温泉は入浴するためにあるが、ヨーロッパでは温泉は飲むためにある。硬度の高い温泉水を飲んで便秘を解消するのである。
カリフォルニアで生活した事があるが、渇水期(カリフォルニアは雨季と乾季がある)に、水を流した後の干上がったシンクに赤い砂の様なミネラル分が一面に析出しているのを見たことがあり、やはり飲み水は買った方が良いと思ったことがある。