独裁者は「ゴメン」と言わない

『過則勿憚改』(読み)あやまちてはすなわあらたむるにはばかることかれーとは、隣の国の偉い人の言葉である。間違っていたらさっさと改善しなさいと云う事である。

中国でゼロコロナ政策に反対する声が大きくなっているが、如何に民衆の不満が大きくなってもこれまでのゼロコロナ政策をおいそれと止めるわけにはいかない。中国は独裁国であるからだ。独裁者が自分の政策が誤りであったと認めれば、独裁体制は大きく揺らぎ、崩壊につながりかねない。ナチスドイツのヒトラーはスターリングラードの敗戦の責任をとって辞職しなかった(大東亜戦争中の日本の首相は戦局不振の責任を取り何人も辞職しているが・・)、結局最後まで政権の座にしがみつき遂には国家が滅亡している。

独裁者は政権の座に在る限り自分の過ちを認めない。可能性があるとすれば、「今までの政策はすべて正しかったが、これからは別の政策が正しい」と合理的に説明できるかである。最近になって中国政府は「コロナの毒性が下がっている」と声明を発しているが、「これまでのゼロコロナ政策は正しかったが、これからは別の政策に舵を取る」と、準備しようとしているように見える。

為政者は国民の声を封じ込めるように伝染病も自分の力で封じ込められると過信しがちであるが、実際には容易ではない。ウィルスには独裁者に従う気は毛頭無いからである。日本でもクルーズ船ダイアモンドプリンセス号を封鎖するという日本版ゼロコロナ対策を取ったことがあるが無残に失敗しており、その後はこの様な大規模封鎖は行っていない。

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