どうなるウクライナ

徳川幕府の礎を築いた関ヶ原の合戦は6時間で終わったという話である(司馬遼太郎の小説によると小早川秀秋が裏切るまで西軍は東軍の攻撃を良く耐えていたが、小早川の突然の裏切りにより一気に敗勢となったとの事であるが、別の説によると最初から小早川は東軍として戦い、関ヶ原の合戦は僅か2時間ほどで決着したとの説もある)。その後の二百数十年の徳川幕府の安泰はこの戦勝が基礎となった訳であるから、6時間でも2時間でも2百数十年と比較すれば僅かな時間であることに変わりない。

最近の若い人は良く”タイパ(タイム・パフォーマンス)”と云う言葉を使うが、戦争とは政治の延長であり、長時間政治的緊張が継続するより、戦争により一気に決着をつけた方がタイパが良いのであるーこれが戦争の無くならない理由である。

この伝で行くと、関ヶ原の合戦は非常にタイパの良い戦争で在った。東軍に属した武将にしろ、西軍に属した武将にしろ、負ければ自分の命が危うい事態であるが、一般民衆にとってはどちらが勝っても関係ない、むしろ政治的緊張状態が長く続いて経済活動が阻害されるより、早く決着して、また安定した経済活動を送れる方が歓迎されるという冷酷な現実がある。

今回のロシアによるウクライナの侵略は当初3日もあれば決着が着くと思われていた。ロシアのプーチンにして見れば、大変タイパの良い戦争だと思った事だろう。しかし、侵略を始めて3年を経過してもいまだに戦争は終わらない。ロシアとしては大変タイパの悪い戦争となっている。プーチンはこんなはずでは無かったと後悔しているだろう。戦争を早く終わらせたいと考えているのはロシアの方であろう。しかし、ロシアとしても不利な終わらせ方はしたくない。ウクライナ侵攻が失敗であったと認められればプーチンの政治生命は終わり、既に国際犯罪人に指定されているので、医学的生命も終わりになり兼ねない。

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