プーチン大統領の事を沈着冷静に判断出来る聡明な大統領で有るとの評価は高く、それ故今回のウクライナ侵略はプーチン大統領の性格が変わってしまったのでは無いかと驚く人は多い。しかし、それは単に広大な国土を持ち、米国に次ぐ軍事力を持った国の大統領である故にプーチンも優れた大統領に違いないと思い込む幻想に過ぎない。
歴史的に最も優れた政治家を輩出してきた国は英国であろう(・・とは言っても全員が全員優れた政治家という訳ではないが)。かの国は最初は絶対的な王権と戦い民衆の権利を拡大して行き、その後は民主的な議会を発展させ、その中で互いに政策を戦わせて政治家同士が切磋琢磨して来た経緯がある。
一方ロシア(その後のソ連も含む)では、数百年に渡って民主主義というものが生まれたことも根付いたことも無い。権力の中枢にいる一部の人間が権力闘争と権謀術数を駆使して成り上がるのが常であった。そこには民主的に指導者が選出されるという術は無かった。従ってプーチン大統領のことを民主主義国の政治家と同じ目で見ることは大きな間違いであるのだ。
プーチン大統領は安倍首相との首脳会談に、巌流島の対決の宮本武蔵の様にわざと30分遅刻して来たり、犬嫌いのメルケル首相との会談に犬を連れて来たりして、度々相手のペースを乱すような小細工をしてきた。しかし、このような小細工を弄するのは所詮三流政治家である所以である。一流政治家なら堂々と意見で渡り合えば良いだけである。
今回のウクライナ侵略に対して「米国もイラクが大量破壊兵器を所持していると因縁を付けて派兵し、政権を転覆してしまったではないか!」と、言いたいと思う。米国のイラク派兵とどう違うのだ-と言われれば、大して違いは無いんだけどね・・(´Д`苦笑ι)。しかし、米国大統領とでは役者が違う。そして敵役のサダムフセイン大統領は悪役が似合う打って付けの役者であった。三流役者のプーチンが自分の役所も知らず、一流役者のゼレンスキー大統領相手に大立ち回りして、大きくコケたというところであろうか。