独裁者は「ゴメン」と言わない

『過則勿憚改』(読み)あやまちてはすなわあらたむるにはばかることかれーとは、隣の国の偉い人の言葉である。間違っていたらさっさと改善しなさいと云う事である。

中国でゼロコロナ政策に反対する声が大きくなっているが、如何に民衆の不満が大きくなってもこれまでのゼロコロナ政策をおいそれと止めるわけにはいかない。中国は独裁国であるからだ。独裁者が自分の政策が誤りであったと認めれば、独裁体制は大きく揺らぎ、崩壊につながりかねない。ナチスドイツのヒトラーはスターリングラードの敗戦の責任をとって辞職しなかった(大東亜戦争中の日本の首相は戦局不振の責任を取り何人も辞職しているが・・)、結局最後まで政権の座にしがみつき遂には国家が滅亡している。

独裁者は政権の座に在る限り自分の過ちを認めない。可能性があるとすれば、「今までの政策はすべて正しかったが、これからは別の政策が正しい」と合理的に説明できるかである。最近になって中国政府は「コロナの毒性が下がっている」と声明を発しているが、「これまでのゼロコロナ政策は正しかったが、これからは別の政策に舵を取る」と、準備しようとしているように見える。

為政者は国民の声を封じ込めるように伝染病も自分の力で封じ込められると過信しがちであるが、実際には容易ではない。ウィルスには独裁者に従う気は毛頭無いからである。日本でもクルーズ船ダイアモンドプリンセス号を封鎖するという日本版ゼロコロナ対策を取ったことがあるが無残に失敗しており、その後はこの様な大規模封鎖は行っていない。

アトランタ五輪サッカー

人間歳を取ると色々のことを思い出すもので、昨日のワールドカップグループリーグでの日本戦を見ていて、1996年のアトランタオリンピックを思い出しました。

この大会では日本はオーバーエイジ枠を使わずに、キャプテン前園、ゴールキーパー川口らのフレッシュな力で世界に挑み、初戦ブラジルに勝利して、日本中を大いに沸かせました。今回のワールドカップのドイツ戦勝利の様なものです。第二戦でナイジェリアに敗れ、最終戦でハンガリーに勝利しましたが、グループリーグ突破は叶いませんでした。

結局予選リーグを勝ち上がった、ナイジェリアとブラジルが金メダルと銅メダルを取ったので、日本にとっては悔しすぎる大会でした。

中国は民主主義国家になるか?

前回、民主主義とは大変贅沢なモノで国民の大多数が生活に余裕を持つようにならないと定着しないと述べた。

かつて日本や欧米諸国が中国に積極的に投資した時には、中国国民が豊かになればやがては、民主主義が根付くであろうとの期待が背景にあった。

しかし、市場経済を導入した中国は、一部の国民は驚くほど豊かになったが、大多数の国民はいまだ生活苦を抱えている状態だ。これでは民主主義は発生しないし、根付かない。

民主主義が定着するには、生活が豊かとなり自身で勉強する余裕が出来て、知識を取り入れ、自分の考えを持ち、他者と議論することにより考えを洗練化し、国民一人一人の意見が、国を動かす大きな力となっていかなければならない。国民の大多数が生活苦に追われ、日々の生活が手一杯の状態では民主主義は発生しない。一部の富裕となった人々は自分の特権的位置を守るため民主化には冷淡となる。

さて、このまま中国が発展していけば、否応なく国民全体は現在より豊かな生活を享受できるようになる。その時、中国は真に民主化されるであろうか?ここに独裁国のジレンマがある。為政者にとっても国が貧しいよりは豊かな方が良い。しかし、国民全体が豊かになれば自分達の地位が脅かされる。国の発展を採るか、自分達の権力を守る方を取るかのジレンマが発生することになる。

現在中国では思想統制をとり、外国からの情報を遮断し、集会を規制している。しかし、国民生活が豊かになれば、何処からか知識を仕入れて来て、自分の意見を持つようになり独裁政権は危うくなっていくだろう。その時為政者は経済発展を諦めても自分達の地位を守ろうとするのではないだろうか?

かろうじて免れた米国の民主主義

事前の予想に反して、大敗すると思われていた米国の議会選挙で、民主党が善戦しました。

私は、別に米国の市民権を持っているわけでは無いので、どちらが勝とうと関係ないのですが、もし、投票権を持っていたら共和党によりシンパシーを感じる人間ですが、トランプ前大統領は認めることは出来ません。米国の多くの市民もトランプに嫌悪感を感じ、投票が民主党に流れたものと思われます。まだ米国の民主主義は健全性を保っていると言えます。

歴史は古代共産主義社会、王権社会、封建社会、絶対王政社会、議会制民主主義社会と進んで来たわけですが、単に時代が進めば民主主義が達成されると言うわけでは在りません。

民主主義は大変贅沢なモノなのです。単に民主主義制度という入れ物を作っても、その中に入れる民主主義精神が無ければ、民主主義国家は出来ません。民主主義制度だけを導入しても民主主義国家にならない国は現在でも世界に沢山在ります。

それでは、民主主義的精神はどの様に作られるかと言うと、国民の大多数が生活に余裕があることが必要条件となります。国民の大多数が貧しく、食うや食わずで生活に追われている国では民主主義的精神は生まれません。だから真の民主主義は大変贅沢な制度なのです。

多くの国民が豊かになり、生活に余裕が出てくれば、本を読んだり(別に本で無くとも良いのですが、)して、知識を得て自分の考えを持つようになります。そして、他者と議論することによりその考えをより洗練化することが出来ます。そして、各人が自分の考えを持ち、他者の考えも尊重する結果として、民主的な社会は生まれるのです。食うや食わずの国民が大多数を占める国では、日々の生活の追われ勉強して、議論を重ねる処ではありません。

民主的国家を維持するためには、大多数の国民に生活の余裕がある(中産階級が大多数を占める)事が必須となります。これは世界的に見ても大変贅沢な国家なのです。処が、現在世界では中産階級の没落が進み、持てる者と持たざる者の二極化が進みつつあります。富裕層は自分の特権を維持できれば良いだけなので、別に民主主義的国家を求める必要はありません。まさに民主主義の危機に瀕していると言えます。

そして、民主主義精神を失い形骸化した民主主義制度は、極めて民主的に独裁者を生み出す結果となります。

半導体製造の新会社が出来ました。

日本に久しぶりに半導体製造会社が新設されました(ラピダス、Rapidus Corporation)。かつて日本製の半導体が世界市場の半分以上を占めていた時に、半導体業界の片隅に居た私としては、大変興味深いニュースです。

( その頃の状況は拙著”クリーンルームの暗殺者”をお読み下さい → こちらからクリックしてください。 )

しかし、これまで政府肝入りで進めた事業で旨く行ったためしがないので大変心配です。

サギということ

世の中には種々の詐欺行為がある。

詐欺に遭っている間被害者は自分が騙されていることに気付かないが、①最も短い期間で被害に気付くのはオレオレ詐欺のような詐欺である。②これより長い間騙され、その間何度も被害に遭う詐欺として結婚詐欺などがある。③しかし、これより長期間に渡り騙され続け、被害に気付くのに何年もかかったり、あるいは一生涯被害に気付かない詐欺に宗教による詐欺がある。これらの詐欺に共通するのは、騙されている被害者本人は分からないが、冷静な第三者が見れば、詐欺に遭っていることは容易に分かることである。

繰り返しになるが、怪しげな宗教で「先祖の霊障」や「何々の祟り」等と欺いて金品を奪うのは詐欺である。刑法246条では『人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。』とされている。

信教の自由と云うことで、これらの行為が野放し状態にあるが、これらは憲法で定められた信仰の自由とは関係ない、刑法犯である。

習近平政権が3期目に突入しました

中国の習近平総書記が異例の3期目に突入しました。おそらく気力体力が続く限り4期5期と継続し毛沢東の再来となって独裁体制を強化して行くことでしょう。

そして、歳をとって判断力がにぶって来れば、ロシアのプーチン大統領がウクライナに侵攻したように、台湾に武力侵攻することは確実と思います。

Windows11の更新したら日本語入力が出来なくなりました

先日Windows11の更新プログラムが来ていたので、更新したところ日本語の入力がおかしくなりました。

ExcelやWordなどのアプリは普通に日本語入力できるのですが、マイクロソフトEdgeやYoutubeやこれを書いているWordpress 等インターネットに関するアプリが日本語入力を受け付けなくなりました。英語直接入力は出来るのですが、日本語入力にしてキーボードを押すとランダムに別のキーが表示されるトラブルでした。

IMEを変えてみたり、色々対策してみたのですが、改善せず、結局元のバージョンに戻して復活しました。従って更新プログラムが原因であったことは明らかです。皆さんは同様のトラブルは有りませんでしたか?

しつこく靖国神社問題を考える 靖国神社にはA級戦犯は祭られていない

前回述べた通り、終戦の日に政治家が靖国神社を参拝することを中国や韓国が非難する理由として、東京裁判のA級戦犯が合祀されていることを挙げている。「戦争犯罪者を祭った神社を参拝するのは、先の戦争を謙虚に反省していない」と、するものである。 しかし、実際には靖国神社には東京裁判のA級戦犯受刑者は祭られていない。

→ 続きはこちら